シスター、有難うございました。




同窓会 会長 寺田 朗子
 

 私が、まだ小さかった頃に「名もなく、貧しく、美しく」という映画があった。確か、高峰秀子が主演の作品だ。幼かった私だが、そのタイトルが気になって色々と思いを巡らせた。ポスターの中の凛とした女優さんの姿も忘れることができなかった。
 先日、六期生は、古希同期会を持った。短大を卒業して、関東、関西に移った人たちも駆けつけてくれた。英語を活かして英語に携わる仕事やボランティアをしている人、インテリアの勉強をして資格を取った人、客室乗務員の経験を活かしてコミュニケーションの講師をしている人、主婦の趣味を深く掘り下げて、手話や料理、手芸や書道などを人に教えるまで極めた人、地味かもしれないけど、妻として母として頑張ってきた人。短大を卒業後、まるでたんぽぽの綿毛が飛んでいくようにいろいろな場所にいき、そこで一生懸命に生きて、根付き、大小色々ではあるが、きれいな花を咲かせているみんなは、立派だと思った。
 最近の私は、心や体にも老いを感じる。そして未来よりも過去の事をよく考える。今の私は、これで良いのか?良いかどうかは分からないけれど、とにかく私は、毎日、自分がしなくてはいけないことと、自分がやりたいことをバランスよく行い、小さな一歩を進める。人の為に何かをする時も「してあげる」ではなく「させてもらう」「自分からする」気持ちを忘れない。人からの称賛を求めない。どうしても誉め言葉がほしいときは、ぐっと我慢してそれを天国の銀行に貯金する。
 毎日を生きていく主役は、自分なのだ。周りの脇役にも気を配りながら、自分の立ち位置を理解して、そこでの役割をしっかり果たす。そうすれば、自分が好きになり、きっといつかスポットライトが当たり、美しく輝く自分を感じることができる。ガンバロッ!

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