伊藤詔子先生により三十年ぶりに講義を受ける事になり、私は学生に戻った気分で少し緊張していました。しかし、先生は三十年前と変わらない魅力的なお姿で同窓会室に入っていらっしゃいました。まさに、同窓会室は三十年前のEdgar Allan Poeの世界に戻った感じでした。

　はじめに、先生はわくわくドキドキのアメリカの旅のお話などされ、Poe記念館で入手されたというThe Ravenの直筆原稿などを見せてくださいました。それから、Poeのお話や先生の研究された「アメリカンイーグルの消滅と偏在について」時間を忘れて熱く熱く語ってくださいました。大変興味深いものばかりで、この講座が一回で終わるのは残念な感じでした。
　家に帰り、三十年前のThe Ravenのなつかしいノートを引っ張り出し読んでいると「Nevermore」と先生の美しい発音がふとよみがえってきました。もう一度じっくり味わってみようと思いました。