人と人がふれあう場所・清心
 山中 英理子

清心を去ってはや3年あまりになります。私は現在、ある4年制大学に職を得て、元気に働いています。新しい職場は大きな大学で、キャンパスが二ヵ所に分かれているため、教職員間の連絡はほとんどEメールでおこなわれます。メールによって人間関係を築くというのは、私にとって新しい経験でした。メールを何度もやり取りした相手でも、一度も会ったことがなかったり、面識のない人から、突然仕事を依頼されたりするのです。私はだいたい朝9時から夕方6時過ぎまで大学にいますが、授業中をのぞいて、教職員の誰とも口をきかず、顔さえあわさない日もあります。何百人という人が同じキャンパスで働いているというのに!!です。

清心では、朝夕、教職員同士が挨拶をかわしていました。重要な情報は書面によって伝えられ、大切なことについては、直接話し合う機会をもっていました。それは、現代的なコミュニケーション手段とはかけ離れたものだったといえましょう。また、忙しい現代の生活では、多少非能率的な場合もあったかもしれません。けれども、LANでつながれた大きな建物の中に身を置く今、人と人とが直接ふれあうことのできた時間と場所が懐かしく思い出されます。

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