大学人としての原点,己斐の丘
広島大学  達川奎三

 96年本学に赴任し,5年間お世話になった。その後,岡山市の清心女子大学に転任となり,現在は広島大学に勤務している。短大以前の県立高校の教諭としての16年間は,どちらかと言えば英語を苦手とする学習者を指導することが多かったので,当初は本学の優秀な学生をどのように指導したら良いか暗中模索の状況だった。
 私の専門領域は英語教育なので,山本勇三先生の御指導の下,「教科教育法」や「英語音声学」を担当した。また,学生からのニーズの高かった英語検定試験をより意識した「実用英語」や,現代女性としての生き方を小グループでの討論や発表を通して考える「総合演習」,さらに蒜山高原での4泊5日に渡る「英語集中合宿」なども担当した。
 また,大里尚美先生の統括により,清心祭実行委員会のお手伝いをさせていただいたことも良き思い出である。講堂ステージや学舎正面の看板取り付けやテント設営指揮などは男性教員の重要任務であったと記憶している。
 改めて今思うことは,ND短大は,建学の精神と伝統の英語教育を柱として,幅広い教養と豊かな人間性を育む素晴らしい学園であったということだ。このことは,地域や社会からの厚い信頼だけでなく,卒業式や謝恩会で頬を伝った無数の涙が物語っている。私自身も己斐の丘での原点を忘れることなく,より一層の精進を続けて行きたい。

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