テーマに寄せて
シスター 雜賀 美枝

 同窓生の皆様、炎暑の中、お元気にお過ごしでしょうか。
卒業生の皆様、今年も同窓会ニューズレターでお目にかかる時季となりました。皆それぞれ置かれた場で、精一杯生きていっていらっしゃることと思います。
 今年のテーマは「心のよりどころ」。「よりどころ」は感じで書くと「拠所」、『広辞苑』には「(1)たよりとするところ、よりすがるところ(2)もとづく所、根拠」とあります。
 今、私は何を「心のよりどころ」として日々生活しているのか。何かあったとき、どこに戻って解決しようとしているのかを自分自身に問うてみることもあながち無駄ではないと思います。人それぞれ、何かを心のよりどころとしています。両親から学んだこと、学校で習ったこと、友人、誰かのことばや生き方、宗教や、聖書のことば等々…
 私は五○余年、ノートルダム修道女会の会員として生きていますので、当然創立者聖ジュリー・ビリアートの教え、行き方に倣うよう日々努め、且つ聖書のみことばを心のよりどころとして、そこに帰るよう努めています。
 この原稿を書くにあたって、ノートルダム清心女子短期大学閉学前後の事を考えてみました。先生、学生がいなければ、母校へ帰ることはできないという一抹の不安が、卒業生の中にありました。2001年9月に発行されたニューズレター5号(この号から8号までのタイトルは「母校よ永遠なれ」です)に「母校が閉鎖されるのは悲しいことですが、これからの皆さんの心の拠り所は40年の歴史を持つ同窓会ですから、皆さん全員で育てていきましょう」と記しました。
 少数とは言うものの、コーラス部、聖書研究会、樹の会(読書会)のメンバーたちは、毎月この己斐の丘まで登ってきて活動を続けています。この交わりも「心のよりどころ」の表れと言えるのではないでしょうか。「樹の会」の一人のメンバーは、結婚後遠方に行かれ、知人もなく寂しくすごしておりましたが、遠隔講座ということで、メールで読書の感想を送ってこられ、未だに一員として楽しんでおられますし、若い卒業生は年に1,2回グループで遊びにきており、意識はしていなくても「よりどころ」を求めてのことかと思います。
 卒業生として「清心スピリット」こそ、「心のよりどころ」ではないでしょうか。  

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