「シスター金子を偲んで」
顧問 シスター荒谷 明恵

 シスター金子とは広島の清心中高、新潟清心高校、清心短大で一緒に仕事をしました。
 修道院での彼女の生活ぶりは、皆さんが短大で学び接してこられた印象と全く同じです。
 豊富なタレントの持ち主で、時間があればいろいろと共同体のために役に立つものを作って いた人でした。シスター達の椅子に紐付き座布団、布のナプキン入れなど手早く作り、シス ターから多くの喜びをもらっていました。あるときベッドのシーツ、客用のベッドスプレッド、 枕カバー、十室のドアカーテンを作ることを提案すると彼女は即刻行動に移し、一緒に布を 買いに行き、大仕事に着手し大変でしたが、多額の支出が省けました。英国へ勉強に行く時 ご自分の体型にぴったりに仕上げた、グレーの温かく格好良いオートクチュールを着て、ノー トルダム・パリジェンヌ気取りで颯爽と出かけた姿が目に焼き付いています。
 シスター金子は勤勉家で、彼女にとって修道院でのリクレーションはクッキーを作ったり、 ケーキやパンを焼いたりすることでした。同様に外部でのリクレーションも新しい事に挑戦で、 何事も自分の目的を達成する意志の強い人でした。紅葉の美しい季節に誘われて胸を踊らせて 随行した先はグラフィック・デザインを習うパソコン教室でした。またある時はあの笑顔に 引かれて折り紙教室の講習会に行き、良い作品ができました。彼女とは一度も映画を観に行った ことはありませんでした。テレビも裁縫をしながら見ていました。
 シスター金子の人柄は、明るく親切で、何か尋ねると時間も労力も惜しまず丁寧に説明し、 手を取って教える人でした。頭脳明晰であり記憶力は抜群で多くの人の誕生日、短大生の卒業生 の一人ひとりを決して忘れることのなかったシスター金子です。
 今は神様の国に迎え入れられ、永遠の安らぎの中で皆さんを想いだしておられるでしょう。

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