コロナ禍に出会った二人の外国からの来訪者



会長 森岡 紀子
 

 新型コロナウイルス感染や自然災害による日々の不安や葛藤の中ではありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
 今年もコロナ禍で私たちの総会や懇親会が開催できない中、こうして会報が発行できたことが何よりうれしく、尽力して下さった関係者や執筆に協力して下さった皆様に心より感謝申し上げます。
 さて、私がコロナ禍に出会ったという来訪者の一人は、ベトナムの女性Bさん。Bさんは、留学生として広大の大学院で学んでいる最中にコロナ禍となり、卒業はしたものの未だに帰国もできません。もう一人は、ナイジェリアから家族と一緒に来た小学一年生のOちゃん。あこがれの小学校生活も、マスク装着、手洗い、三密回避の息苦しい毎日です。
 現在日本で働くベトナムからの人は、中国に次いで2番目という多さにも拘らず、ベトナムというと英国での悲しいコンテナ事件や子豚の盗難事件のニュースなどしかなかなか耳に入りません。一方ナイジェリアも、日本に来訪するアフリカの人の中では一番多いにも拘らず、数百人の女生徒などの拉致事件などがすぐに思い浮かび、負のイメージが強いです。しかし、どちらの国とも日本との関係は、これからも益々深まっていくに違いありません。
 コロナ禍は、私たちの生活を一変させ苦しめてきましたが、私たちの生活の中で本当に必要なこと、大切にしたいことに気づかせてくれました。私たちには、素晴らしい伝統や文化があり、優しい思いやりの心をもっています。私たちの大切にしてきた清心スピリットも誇れるものです。
 私は、日本にあこがれてやってきたBさんの未来を挫折させてはいけないと思います。最近やっと仕事を見つけ、日本語検定試験に向けて勉強を始めたBさんです。今は、国内旅行もできないのですが、日本の素敵な所をたくさん知ってほしいです。歌や踊り大好きのOちゃんには、まだまだ、友達と手をつないだり、思いっきり声を出したりできない状況ですが、素晴らしい日本の教育を体験し、楽しい学校生活を送ってほしいです。
 ワクチン接種が進んでも、コロナ禍の終息には時間がかかりそうです。お元気な方、健康に不安な方、皆様の状況は様々でしょうが、私たちの大切なものを守りながら、蟻さんのように小さなジャンプでも、まだまだジャンプしつづけていきたいものです。

 
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