近況報告



名誉顧問 寺田 朗子
 

 今年から私もいよいよ後期高齢者です。この年の初めに、私はある奇妙な行動を起こしました。
 自分の成人式に着た振袖を美容院で着付けてもらい、きしもと写真館で撮影してもらいました。この歳で!
 昨年孫娘が十歳になり、所謂「ハーフ成人式」の袴姿の写真が送られてきました。その写真をニコニコ顔で見ながら、ふと、十年先のこの子の成人式の振袖姿を見届けることが出来るのかと思いました。
 その時には、私、娘、嫁が着た振袖を着継がせたいと思います。
 振袖を出して見ているうち、両親の慈しみを感じ、もう一度そのしみに包まれたい、又、その記憶を残したい思いで、振袖写真を撮る行動を起こした次第です。
 両親との出会いを始め、様々な「出会い」で、今、私がここに在ります。
 父の仕事で、京都から広島に移住し、「清心」と出会って、六十年になります。「清心」では、キリスト教に会い、英語の楽しさも学ました。清心の姉妹校のアメリカの大学を卒業して、短大で非常勤講師として閉校を迎えるまで楽しく教えさせて頂きました。怠け者で無力な講師でしたが、長年働かせていただいたお陰で、心暖かい先生方や、皆様に会えることが出来ました。
 その間に結婚して、もうすぐ金婚式を迎える私たち夫婦は、その間の三十五年間は、夫の単身赴任という変な夫婦型ですが、私たちにはこの型がベストだと、今、夫婦で納得しています。
 この結婚で出会えた三人の子供たち。末娘には障害がありますが、この子が私たち家族の要として、現在大活躍中です。
 朝、目覚めると「今日も生きている!」と喜び、今日すべきこと、したいことを優先し、片付けるものは整理して、譲りたいものはその準備をと、怠惰な私に鞭打っています。

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