同窓生の皆様、お元気にお過ごしでしょうか。
短大が完全に閉鎖されてから、二年の月日が流れました。その後も「カルチャー講座」、「コーラス部」の練習、それに私の「聖書研究会」や「日本文学を読む会(樹の会)」などが続いております。また、今年も三月末に若い卒業生のグループがお花見に己斐の丘に登って来られました。大学が閉まっても、皆さんの母なる短大への思いは、このように続いており嬉しいことです。そして、何時までも母校は卒業生の皆様の心の拠り所であり続けたいと思っています。
今年のニュースレターのテーマは「清心スピリット」とのこと、これについて私も所感を記してみましょう。
現代の世相を考えてみますと、なぜこのように「自己中心的な価値観」が蔓延してしまったのかと心寒い気が致します。非常に短絡的で深く物事を考えることが出来ないのは、何事もスピードを重視し、じっくりと真理を考える暇がなく、また利益追求を最優先する余り、人間本来の姿を熟視せず、自己本位となり他者を排除してしまう競争原理の悪い側面が先に出てしまっているためかも知れません。
本学の精神は、「他人を自分のように愛しなさい」というキリストの教えに基づいており、それは具体的に次のように言い換えられます。「秩序を尊び、何事にも感謝の心を持ち、他者への奉仕に喜びを見出す」と。これはなにも事新しいまた、ミッション・スクール独自の価値観ではありません。誰の心にも価値判断の基準として普遍的に備わっているものです。ただ、それに気付かないのか、目先の欲望に支配されて気付こうとしないのかと思います。ちょっと立ち止まって、自分の行動や心の動きを振り返って見ましょう。
頂いた生命を大切にして、自分と異なる他者を認め、受け入れ、人間らしい社会を構築するよう努力することが、私達に課せられた使命(ミッション)であり、これこそ「清心スピリット」に生きることです。
多くの卒業生にお会いする時、皆さんそれぞれの場で、素晴らしい生き方をしていらっしゃることを知り、さすが清心の卒業生と感謝の心でいっぱいです。これからも皆様が神様の豊かな祝福の中に、人々のためにご活躍なさいますようお祈りしております。
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